人間ドックには、心臓ドックや脳ドックのような特定の臓器や疾患に関する検査を重点的に行う専門的なコースがあります。そして、そのなかでも男性患者におすすめなのが、「メンズドック」と呼ばれる人間ドックです。このメンズドックには、前立腺がんなどの前立腺疾患の有無を調べる腫瘍マーカー検査が含まれているのが特徴です。腫瘍マーカーとは、血液のなかにある特別なタンパク質をもとに腫瘍を探す方法のことをいいます。
通常の健康診断で行われている採血で行うことができますので、受診する本人は体の負担はあまりありません。この腫瘍マーカーは、PSAと呼ばれ、前立腺疾患を検査方法のなかでも有名なものです。この検査方法では、PSAの数値が高い場合は、前立腺がんが疑われるため、再度精密検査を後日受けることになります。しかし、PSA数値は、がん以外の前立腺肥大などの病気でも高くなるため、この時点では悪性腫瘍かどうかは断定できないです。
メンズドックの流れとしては、通常の健康診断や人間ドックと同じで、受付を済ませた後は、検査着に着替えて、順番に身体測定、視力や聴力検査、採血、心電図などを受けて終了です。触診やマンモグラフィ検査などが含まれているレディースドックに比べると、メンズドックは通常の健康診断と同じ内容で前立腺疾患を調べることができますので、男性であればオプションとしてPSA検査を受けるのがおすすめです。前立腺疾患は、50代以上の男性に発症しやすい病気ですので、50歳を過ぎたら一度は受診したほうがよいです。